イタリアンオールドスクールグラインドコアDiorrheaの2008年リリースのフルレングス。基本的には飾り気を一ミリも感じない武骨でストレートなグラインドコアですが、E.N.T.を感じさせるクラスティーやファストコア的な暴走、ド直球オールドスクールデスメタリックなモッサリトレモロなど様々なサブジャンルを横断して見せる器用な一面もあり。トータルで非常にハイクオリティな一作に仕上がってます。 ー下記余談ー ネットの普及により、単純にサウンドにだけ着目すると地域性というものがほとんどなくなったとされている昨今。きっとサウンドそのものに地域性はなく、その場所・シーンごとに空気感の違いがあるだけなのでしょう。「シーン」という言葉は死ぬほど嫌いですが。 度々記すように当店は何故かイタリアとスペインのバンドやレーベルとの取引が非常に多くあります。で、トレードの際にはオススメのローカルバンドの作品をお互い自分用に送り合ったりしてまして、先述の地域性はないという話とは裏腹に、この経路で入手する作品にはどれも一様にして「その土地っぽさ」を感じることが多いと思っています。 プラシーボでしょうか？否、紛れもない主観であります。 EU圏では特にイベリアン・イタリアン・バルカンエリアについて、何やら言葉で説明できない不思議な「その土地っぽさ」を感じることが多くあり、その多くは整ったプロダクションでリリースされる所謂「大手」(アンダーグラウンド・オーバーグラウンド問わず)のものよりも、ローカルレーベルや自主リリースで出回ってるものが特権的に持ち、作品の性質や魅力の一部になっているのではないかと思います。 さりとて、この「その土地っぽさ」の正体が何なのかは未だわかりません爆 【Diorrhea on bandcamp】 https://diorrhea.bandcamp.com/album/b-xvi