original
プレイヤーにセットしたディスクが回転を始めると同時に、身動きが取れなくなった。
僕がGridlink好きなのは、なんか、うまく説明できないんですけど、やっぱTakafumi Matsubara styleのギターってなんかこう、「儚さ」みたいなのがあると思うわけです。
どういうロジックで成り立ってるのか解析できないサタニックなリードの重ね方とかも好きな要素ではあるのですが、そういう次元の話ではなく、Gridlinkに限らずあの人がギター弾くバンドの楽曲には全部、儚さ?切なさ?いや違う、危うさというか…。
言ってみれば「これから自殺しに行く友人を見送ってる」ような感じがするのです。
そういう緊張感や悲しさが複雑に入り交ざった気持ちになるわけで、それはリリックによるメッセージ以上に、聴く人に感情の起伏をもたらすと思うのです。
この作品はそのコンセプチュアルが前作"Longhena"の延長にあれど、過去の焼き増しやマイナーチェンジではないことを断言する。
活動休止から長い時間を経て放たれた今作は、明らかにそのサウンドが別の高みへ到達したことを示している。
【Gridlink on bandcamp】
https://gridlink.bandcamp.com/album/coronet-juniper