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血盤
¥3,000
SOLD OUT
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黒盤
¥2,500
SOLD OUT
日本国東京下町神田産グラインドコアKANDARIVASが2021年に発表していたコンセプトアルバムが発売から1年を経てLPフォーマットで帰ってきた。今作のリイシューを手掛けたのはご存じF.O.A.D. Records。
先日対バンした痴漢シェフ来日公演の折、バンド側のご厚意に甘えて100枚限定のDIEHARD SWIRL BLOOD-RED VINYL(通称 : 血盤)と黒盤をどちらも入れさせていただきました。
さて、本来このコメントでは短いレビューをしたためているのですが、この度の再発はもちろん作品そのものについても国内のグラインドリスナーの間では既知のことと思いますので、ここでは作品単体ではなくKANDARIVASのアンサンブルに関する私の解釈を書き残しておきます。
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公式による作品紹介のコメントや他レビューを見ても、特異性として和太鼓の存在に触れているものは多く実際にライブで見るインパクト・収録されているサウンド、どちらにつけても確かにその存在は大きい。奏法については全く不勉強なもので触れようがないのだけれど、使用しているのはお祭りなどでよく見る"宮太鼓"ではなく、締縄がイカつい"締胴太鼓"と"締太鼓"である。前者はフロアタム、後者はロートタムの音像に近い。締め方でチューニングを調整できるかとかまではわからない。
以前「鼓(つづみ」)を専門にやってる人と知り合った際に「和楽器の奏者と洋楽器の奏者って曲のとらえ方が根本的に違うと思う」という意見を聞いたことがある。アタックに富みサスティンは少なく(埋めれやすく?)、バンド編成の中で鳴らすにはなかなか扱いずらいように見えるこの楽器との共存に関しては、彼らが活動歴の中でブラッシュアップを重ね独自の形を作り出したことは間違いない。
4人編成となっている現在の形を見るにつけ私が確信を得たのは、聴感上この形での和太鼓が半分ベースの役割を担っているという事です。そう考えると納得がいくのはギターの音作りで、一般的なグラインドの音というよりはステンチ・クラスト系のジャパコアのような高域に重点を置いたメイキングがなされており、実際にトモキさんにその点を聞いてみたところ低域は和太鼓との音域の被りを考慮して調整を行っているとのこと。ミキシングの手腕のためか音源よりもライブでこの住み分けをはっきり認識できると思う。
前置きが長くなってしまった。そして、編成上の特異点の本質はどこにあるかというと、特徴的な和楽器を取り入れ、法被を纏い、ライブのSE代わり(?)には見事な口上を切りながらも、インスタントな意味での「和メタル」になってはいないということだと思う。というのも、和太鼓や三味線、琴、尺八など音色そのものに狭義的な特徴があるものをバンドに取り入れた場合、曲の印象が悪い意味でそれに引っ張られすぎてしまうことが往々にしてあると思う。「曲が音色に負ける」とでも言おうか。
KANDARIVASの場合その傾向は一切なく、あくまでも「グラインドコア」としてアウトプットできる楽曲に仕上げられていることは聴けば誰でも分かるはずだ。
加えてもう一点。「和太鼓が半分くらいベースの役割」との解釈はそれすなわちもう半分には重要なリズム楽器としての役割があり、それを成立させるためには相棒となるドラマーの手腕も大きくものをいう。"BLOOD SURGICAL DEATH"の時点では前任のOnobone氏、現在はAbort MasticationやCoholでの活動でも知られるKyosuke氏で、両者ともにモンスタークラスの名ドラマーであることは説明するまでもない。文字通りサウンドを支えているのは、そのタイト&ビースト極まるプレイがあっての事でしょう。
最後にリスナーの裾野を広げる意味でのFFOを挙げて駄文の締めとさせていただきます。
FFO... TURTLE ISLAND / No Rest For The Dead
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